「家族になろうよ」は、福山雅治通算27枚目シングル「家族になろうよ/fighting pose」として、2011年8月31日に発売された楽曲だ。東日本大震災から半年も経たない時期に、当初の予定を前倒しして緊急リリースされたという経緯を持つ。リクルート「ゼクシィ」のCMソングとして書き下ろされたこの曲は、オリコン週間シングルランキングで初登場1位を獲得し、福山雅治にとって1991年発売の4thシングル以来、実に約22年ぶりの週間1位獲得となった。作詞・作曲は福山雅治自身、編曲は井上鑑との連名によるものだ。
震災直後に生まれた、緊急リリース
「家族になろうよ」は、東日本大震災から半年に満たない2011年8月31日、当初の予定を前倒しして緊急リリースされた楽曲だ[1]。福山雅治オフィシャルサイトのニュースにも「緊急リリース決定」という表現が使われており、震災という大きな悲しみの時期に、あえて新しい家族の誕生を祝う楽曲を世に送り出すという判断があったことがうかがえる。開催中だった全国ツアーが約3週間ほど中断していた期間中に書き上げられたと伝えられており、社会全体が不安に包まれていた時期だからこそ、家族という存在の価値を改めて歌にしたいという思いがあったのではないかと想像できる。
新婦の目線で綴られた、感謝の言葉
歌詞を丸ごと引用することは避けるが、この曲は新婦、つまり結婚する女性の目線で書かれているとされている[3]。福山雅治自身は当時、結婚やプロポーズの経験がなかったため「女性の気持ちになるしかない」と考えて執筆したと語っていると伝えられている。結婚式で両親へ宛てる手紙をイメージした内容で、育ててくれた家族への感謝、これから築いていく新しい家族への想いを、まっすぐな言葉で描いている。男性シンガーが女性の視点に立って歌詞を書くという挑戦そのものが、この曲に独特の説得力を与えている。この曲はリクルートの結婚情報誌「ゼクシィ」のCMソングとして書き下ろされたもので、2011年4月からオンエアが始まったCMには、内田裕也・樹木希林夫妻や、林家ぺー・パー子夫妻といった、長く連れ添った実際の夫婦が出演しており、結婚という制度そのものを見つめ直すようなメッセージ性を持ったキャンペーンだった。
22年ぶりの週間1位という記録
「家族になろうよ」はオリコン週間シングルランキングで初週15万5000枚を売り上げ、初登場1位を獲得した[2]。これは福山雅治にとって、1991年10月発売の4thシングル「WOH WOW」以来、約22年ぶりの週間1位獲得だったと伝えられている。シングルチャートの登場週数は82週という長期に及び、結婚式の定番曲として今も高い人気を保ち続けている。長野県・八ヶ岳で撮影されたミュージックビデオは、かつての自分と今の自分という設定で構成されているとされ、時を経てもなお色褪せないテーマを映像でも表現している。なお、このシングルは「家族になろうよ/fighting pose」という通算27枚目シングルとして発売され、作詞・作曲は福山雅治自身、編曲は井上鑑との連名によるものだ。
初のドームツアーで歌い継がれる一曲
今回参照した動画は、2014年に行われた福山雅治にとって初の全国ドームツアー「WE'RE BROS.TOUR 2014 HUMAN」からの映像である[4]。動員50万人を超えたこの大規模なツアーのステージでも、すでに定番曲となっていた「家族になろうよ」は披露され続けていた。発売から10年以上が経った今も、この曲は結婚式の定番曲としてウェディング関連サイトのランキングで上位に挙げられ続けている。ケーキ入刀、花束贈呈、両親への手紙朗読、退場シーンなど、結婚式の様々な場面で実際に使われてきたという実績や、結婚式向けのオルゴールバージョンなど別アレンジまで制作されているという事実は、この曲が一時的なヒットで終わらなかったことの何よりの証明だ。震災直後という特別な時期に生まれた一曲が、その後何万組もの新しい家族の始まりを見守り続けているという巡り合わせに、静かな感慨を覚える。
磐田で見つめる、家族という財産
東京で働いていた頃、家族への感謝をきちんと言葉にする機会をなかなか持てずにいた。忙しさを言い訳に、当たり前のように感謝を後回しにしていたように思う。この曲を聴くと、感謝は特別な日にまとめて伝えるものではなく、日々の暮らしの中で少しずつ言葉にしていくべきものなのだと気づかされる。相続や実家の整理に関わる仕事をしていると、家族という関係性そのものが、財産以上に大切なものであることを実感する場面にもよく出会う。「家族になろうよ」というタイトルは、すでにある家族を歌っているようでいて、実はこれから新しく築いていく関係性への希望を歌っている。震災という大きな喪失の後に、あえて新しい家族の誕生を祝おうとしたこの曲の姿勢は、家や土地の整理を通じて家族の未来を考える仕事にも、静かに通じるものがあると感じている。
参考リンク
- [1] 家族になろうよ/fighting pose - Wikipedia
- [2] 福山雅治、初の結婚ソング首位 | ORICON NEWS
- [3] 家族になろうよ 歌詞 | 歌ネット
- [4] 福山雅治、50万人動員<WE'RE BROS.TOUR 2014 HUMAN> | BARKS
家族への感謝を言葉にする瞬間があるように、家や土地にも、家族が積み重ねてきた歴史があります。
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