ページ作成日: 2026年7月3日
元にしたYouTubeリンク: https://youtu.be/vdPiAexMyUY
確認した動画: SWEET MEMORIES(Lilas - Topic / 公式系チャンネル)

このサイトでは、松田聖子さんによるオリジナル版と、椎名林檎さんによるセルフカバー版の、2つの「SWEET MEMORIES」をすでに取り上げてきました。今回で3人目、幾田りらさんによる解釈です。幾田りらさん版もいいですね、というのは、まさにこの曲が持つ器の大きさを言い当てた言葉だと思います。同じ歌詞、同じメロディでありながら、歌う人が変わるごとに、まったく違う景色が立ち上がる。1983年のオリジナルの持つ甘やかな郷愁、椎名林檎版の持つ都会的な陰影、そして幾田りらの若く澄んだ声が運ぶ、また新しい透明感。1つの名曲が、世代を越えて、そのたびに新しい解釈者を得ながら、生き続けている様子を、この3つのバージョンは見事に示しています。

作詞活動50周年、松本隆トリビュートの1曲として

幾田りらによる「SWEET MEMORIES」は、2021年7月14日にリリースされた、作詞家・松本隆の作詞活動50周年を記念したトリビュートアルバムに収録されました。プロデューサーの亀田誠治が幾田りらに熱烈にこの曲のカバーをオファーし、幾田自身も大好きな曲だったことから快諾して実現したといいます。このアルバムには、幾田の他にも池田エライザや三浦大知といった多彩なアーティストが参加し、それぞれの解釈でカバー曲を収録しています。幾田りらは「この楽曲の持つ香り、松本隆さんの綴られた詩の一つ一つに向き合いながら、大切に歌わせていただきました」とコメントしています。

原曲は、1983年8月1日にリリースされた松田聖子の14枚目の両A面シングル表題曲です。作詞は松本隆、40年近い時を経てなお、新しい世代の歌い手たちに歌い継がれるだけの強度を持ったこの曲は、まさに日本のポップスの遺産と呼ぶべき存在です。

ひとつの曲が持つ、無限の解釈の可能性

東京で働いていた頃、同じマニュアルや方針でも、担当する人が変わるだけで、まったく違う結果や雰囲気が生まれることに、何度も気づかされました。良い基盤があれば、そこに関わる人それぞれの個性が、新しい価値を付け加えていきます。「SWEET MEMORIES」が3人の歌い手によって、それぞれ違う輝きを見せてきたように、優れた基盤は、多様な解釈を受け入れる懐の深さを持っています。

磐田で受け継ぐ、多様な解釈

磐田で家や土地の相談を受けていると、同じ家や土地でも、次の世代が受け継ぐことで、まったく新しい活かし方が生まれる場面によく出会います。「SWEET MEMORIES」が世代を越えて新しい解釈者を得てきたように、受け継がれるものは、そのたびに新しい命を吹き込まれていくのだと思います。幾田りらさん版もいいですね、という素直な感想は、そういう受け継がれることの豊かさを、あらためて教えてくれます。

ATAWI MUSICは、音楽を消費するサイトではありません。曲をきっかけに、世代を越えて受け継がれる解釈の記憶を読み直す場所です。