「ハリマドンナ ワタシ人生、最高のハリ。」というキャッチコピーひとつから、これほど伸びやかな1曲が立ち上がることに、あらためて驚かされます。土岐麻子の透明感のある声は、化粧品のCMという商業的な枠組みの中でも、決して軽くならず、むしろその声自体が持つ品の良さで、コピーの世界観を丁寧に体現しています。80年代から活躍する女性シンガーソングライター、EPOによる書き下ろしという事実を知ると、世代を越えて受け継がれる、上質なポップスの作法のようなものを感じます。
EPO書き下ろしのCMソング
「Gift~あなたはマドンナ~」は、2011年1月19日にrhythm zoneよりリリースされた土岐麻子の通算2枚目のシングルです。80年代から第一線で活躍する女性アーティスト、EPOによる書き下ろし楽曲で、資生堂「ELIXIR SUPERIEUR」のCMソングとして起用されました。CMは2010年9月から篠原涼子が、同年11月からは永作博美が出演するというリレー形式で展開され、幅広い層に向けて曲が届けられました。
誰かの言葉を、自分の声で引き受ける仕事
東京で働いていた頃、他人が用意した企画やコピーを、自分の言葉として引き受け、形にしていく仕事の難しさを何度も感じました。与えられた枠組みの中でこそ、その人らしさが試される。「Gift~あなたはマドンナ~」という曲は、EPOという書き手の言葉を、土岐麻子という歌い手が自分のものとして引き受けた、その仕事の質の高さを教えてくれます。
磐田で引き受ける、誰かの言葉
磐田で家や土地の相談を受けていると、相談者本人の言葉にならない思いを、こちらの言葉で整理して伝え返す場面がよくあります。他人の言葉や事情を、自分の仕事として丁寧に引き受けること。この曲が体現する、与えられた枠組みを自分のものにする姿勢は、そうした仕事の在り方にも重なります。
ATAWI MUSICは、音楽を消費するサイトではありません。曲をきっかけに、誰かの言葉を引き受ける仕事の記憶を読み直す場所です。
