「明日街は誰のものか」。この曲が投げかける問いは、シンプルでありながら、都会に生きる誰もが一度は抱いたことのある感覚をすくい上げています。バブルガムのように、噛めば甘く、すぐに味が薄れていく街の風景。土岐麻子は、その移り変わりの速さを嘆くのではなく、軽やかに口ずさむように歌います。都会の儚さを、湿っぽくならずに歌えることこそ、シティポップというジャンルの持つ強さなのだと感じます。
三部作を締めくくる最終曲
「Bubble Gum Town」は、土岐麻子が2019年10月2日にリリースしたアルバム『PASSION BLUE』の最終トラックとして収録されている楽曲です。2017年の『PINK』、その後の『SAFARI』に続くシティポップ三部作の完結編を締めくくるにふさわしい、都会というテーマを総括するような1曲になっています。
移り変わる街を、軽やかに歌う
東京で働いていた頃、街の姿があっという間に変わっていくのを、何度も目にしました。馴染んだ店がなくなり、新しいビルが建ち、数年も経てば景色はすっかり変わってしまう。「明日街は誰のものか」という問いは、そういう都会の無常さを軽やかに言い当てています。
磐田で見つめる、変わりゆく風景
磐田で家や土地の相談を受けていると、街や集落の風景が世代とともに変わっていく様子に、日々向き合うことになります。誰のものでもあり、誰のものでもない街の姿。「Bubble Gum Town」が投げかける問いは、そうした移ろいを受け入れる姿勢を、あらためて教えてくれます。
ATAWI MUSICは、音楽を消費するサイトではありません。曲をきっかけに、移ろいゆく街の記憶を読み直す場所です。
