1995年10月25日発売、TRF11枚目のシングル「BRAND NEW TOMORROW」は、小室哲哉が作詞・作曲・編曲・プロデュースのすべてを手がけた楽曲だ。テレビ東京系ドラマ「クリスマスキス〜イブに逢いましょう」の主題歌、そしてユニクロのCMソングとして使われ、1995年11月6日付のオリコン週間シングルチャートで1位を獲得している。同年12月11日発売の同名アルバム『BRAND NEW TOMORROW』の1曲目にも収録されており、コーラスには当時avex所属だった華原朋美が参加している。
2つのタイアップが支えた、1位獲得
「BRAND NEW TOMORROW」は、テレビ東京系ドラマ「クリスマスキス〜イブに逢いましょう」の主題歌と、ユニクロのCMソングという、2つのタイアップを同時に抱えて発表された楽曲だ。ドラマとCM、異なる媒体での露出を通じて多くの人に届けられたことが、オリコン週間1位という結果につながったのだろう。複数のタイアップを抱えることで生まれる相乗効果を、この曲は見事に体現している。
さよならを言えない、その先へ
歌詞を丸ごと引用することは避けるが、「さよならは言えないの明日を」という書き出しに象徴されるように、この曲は別れを受け入れられない気持ちを抱えながらも、新しい明日へ向かおうとする感情の推移を描いている。「Let's get Brand New Tomorrow」というフレーズが繰り返されることで、聴き手にも前向きな決意を伝えようとしている。別れの悲しみを否定するのではなく、それを抱えたまま歩き出すという姿勢に、この曲の誠実さがある。
高いキーが生んだ、新しい表現
メンバーのSAMは、それまでの曲が個性的だったのに対し、この曲はスタンダードな楽曲であり、振り付けもいつもと違うものになったとコメントしている。従来の曲より高いキーで作られている点も特徴として挙げられており、こうした音楽的な変化が、振付にも新しい表現を求めることになったのだろう。楽曲の変化が、パフォーマンス全体の変化にもつながっていく好例だ。
華原朋美という、もう一つのつながり
この曲のコーラスには、当時avex所属だった華原朋美が参加している。2014年には、華原朋美自身がカバーアルバム『MEMORIES -Kahara Covers-』でこの曲をセルフカバーしており、かつてコーラスとして参加した楽曲を、後に自らの代表的な表現として歌い直すという巡り合わせは興味深い。同じ音楽事務所に所属するアーティスト同士が、こうして楽曲を通じてつながり続けている様子がうかがえる。
3か月連続リリースの、その後に
この曲がリリースされた1995年10月は、それ以前に月イチペースでの3か月連続シングルリリースが続いていた時期の後にあたる。前作から約7か月ぶりのリリースというペースの変化は、絶え間ない制作ペースを続けてきたTRF・小室哲哉体制が、少し呼吸を整えながら次の作品に臨んでいたことを示唆している。それでもオリコン1位という結果を残せたことは、ペースを落としてもなお質の高い楽曲を生み出し続ける実力の証だ。
アルバムの1曲目という、重要な役割
この曲は、1995年12月11日発売の同名アルバム『BRAND NEW TOMORROW』の1曲目にも収録されている。アルバムの冒頭を飾る楽曲は、そのアルバム全体の方向性を象徴する重要な役割を担うことが多い。オリコン1位を獲得した表題曲がアルバムの顔として据えられたことで、このアルバム自体もまた、TRFのキャリアの中で重要な位置づけを持つ作品として認識されている。
Original Mix、J.V.N. Mix、TV Mixという、多面性
このシングルには、Original Mix、J.V.N. Mix、TV Mixという3種類のバージョンが収録されていたと伝えられている。同じ楽曲でも、異なるミックスによって印象が大きく変わることがある。複数のバージョンを一枚のシングルに収めるという構成は、聴き手に多様な聴き方の選択肢を提供しようとする、当時のレコード制作の丁寧さを物語っている。
言えない別れと、共に生きる
東京で働いていた頃、別れを受け入れられないまま、それでも次の生活に向かって歩き出さなければならない時期があった。この曲が描く「さよならは言えないまま、それでも新しい明日へ」という感情の推移は、そうした矛盾を抱えたまま前に進むことの現実的な姿を、素直に肯定してくれる。
1996年まで、歌い継がれたロングセラー
この曲は1995年年間チャートで72位、1996年年間チャートでも150位を記録しており、年をまたいで長くチャートインし続けたロングセラーとなっている。発売直後の勢いだけでなく、翌年に入ってもなお多くのリスナーに聴かれ続けていたという事実は、この曲が一時的な話題性を超えて、じっくりと浸透していく力を持っていたことを示している。オリコン1位という瞬間的な栄光だけでなく、こうした持続的な支持の広がりもまた、この曲の価値を裏付けている。
磐田で思う、新しい明日への一歩
相続や実家の整理の仕事を通じて、大切な人との別れを受け入れきれないまま、それでも生活を続けていかなければならない方々に多く出会う。「BRAND NEW TOMORROW」というタイトルが示す前向きなメッセージは、悲しみを乗り越えることを急かすのではなく、悲しみを抱えたまま少しずつ新しい日々を歩み始めることの大切さを、静かに教えてくれる。
参考リンク
悲しみを抱えたまま新しい日々を歩み始められるように、家や土地の整理にも、少しずつ前に進む道があります。
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