ページ作成日: 2026年7月5日
元にしたYouTubeリンク: https://www.youtube.com/watch?v=8cQvqux-llM
確認した動画: TRF「LEGEND OF WIND」(TRF Official YouTube Channel)

1996年12月11日発売、TRF17枚目のシングル「LEGEND OF WIND」は、作詞・プロデュースを小室哲哉、作曲・編曲を久保こーじが手がけた楽曲だ。JAL(日本航空)「ハワイキャンペーン」のCMソングとして使われ、オリコン最高4位、ゴールドディスクに認定されている。この曲は、小室哲哉がプロデューサーとして関わった最後のシングルであり、次に小室哲哉が楽曲提供するのは2006年の「We are all BLOOMIN'」まで待つことになる、小室サウンド時代の一つの終着点に位置する楽曲だ。

大石セレクション:歌詞がいい ★★★★☆

  • 曲がいい:★★★★☆
  • 歌詞がいい:★★★★☆
  • MVがいい:★★★☆☆

選定理由:スティールパンなど南国系の楽器を用いたトロピカルなダンスチューンとしての完成度も高いが、この曲を選ぶ理由は、冬に発売されるシングルでありながら南国の島を舞台にした夏らしい情景を描き、あえて「スーパーウィンターソング」と銘打ったという、季節感の意図的なズレの巧みさにある。「伝説がこの島々を支えている」というフレーズに象徴される、風に乗せた友情や夢への想いを歌う言葉選びの豊かさに、主視点を置いた。

JALハワイキャンペーンという、大きなタイアップ

「LEGEND OF WIND」は、JAL(日本航空)の「ハワイキャンペーン」のCMソングとして起用された楽曲だ。CMには、ロサンゼルスのミュージシャンによるスティールパンの生演奏が使用されたと伝えられている。航空会社の大型キャンペーンという規模の大きなプロジェクトに起用されたことは、この時期のTRF・小室哲哉体制がなお高い信頼を得ていたことを示している。1990年代の日本において、ハワイは多くの人にとって憧れの海外旅行先だった。当時の日本人が抱いていた南国への憧れと、この曲が描く島の情景とが自然に重なり合い、旅行に行けない人にとっても、この曲を聴くことで束の間の南国気分を味わえるという楽しみ方があったのだろう。実際の季節や環境とは異なる情景を思い浮かべることで、今の自分を少しだけ楽にする――寒い冬に南国の写真や映像を眺めて心を暖めた経験は、多くの人が持っているはずだ。この曲が冬に夏のイメージを届けようとしたのも、そうした想像の力が持つ、心を軽くする働きを信じてのことだったのかもしれない。

冬に鳴らす、夏の島の伝説

歌詞を丸ごと引用することは避けるが、この曲は南国の島を舞台にした情景描写を中心に構成されている。水色とオレンジが混ざり合う夕景、街の灯りが波を島へ誘う様子など、夏らしい南国のイメージが豊かに描かれている。友人・恋人・夢・未来への想いを、島に吹く風に乗せて歌う構成の中で、「伝説がこの島々を支えている」「優しさは風によって運ばれる」といったフレーズが印象的だ。興味深いのは、歌詞は夏・南国のイメージでありながら、発売とタイアップは冬(JALハワイキャンペーン、年末発売)というタイミングだったことだ。Wikipediaには「あえて『スーパーウィンターソング』と銘打った」との記載があり、季節感のズレを意図的な演出として楽しんでいたことがうかがえる。寒い季節に、あえて暖かい南国を思わせる楽曲を届けることで、聴き手に一時の暖かさや旅情を届けようとしたのだろう。

小室哲哉プロデュース、最後の一曲

この曲は、小室哲哉がプロデューサーとして関わった最後のシングルとなった。その後TRFは約1年以上新曲を発表せず、次に小室哲哉が楽曲提供するのは2006年の「We are all BLOOMIN'」まで待つことになる。つまりこの曲は、90年代を通じてTRFのサウンドを形作ってきた小室哲哉時代の、静かな終着点として位置づけられる。1996年の第47回NHK紅白歌合戦でも披露されており、この時期のTRFがなお国民的な音楽番組に出演し続けるだけの知名度と実力を保っていたことを示すと同時に、その時代の集大成としての性格を持つ楽曲だと言える。オリコン最高4位、ゴールドディスク認定という商業的な成功も、90年代を駆け抜けた小室サウンド時代の締めくくりにふさわしいものだった。生みの親が静かに離れていくその節目に、これほど華やかなトロピカルソングを届けたという事実には、どこか物語的な余韻すら感じられる。

久保こーじが手がけた、作曲面での貢献

この曲の作曲・編曲を手がけた久保こーじは、TRFの複数の楽曲で小室哲哉と共に制作に携わってきた音楽家だ。小室哲哉が作詞・プロデュースという立場から曲全体の方向性を導きながら、久保こーじが具体的な作曲面での豊かなアイデアを提供するという分業体制が、この曲のトロピカルで豊かなサウンドを支えていたのだろう。プロデューサー一人の力ではなく、複数のクリエイターの協働によって完成度が高められていた様子がうかがえる。スティールパンなど南国系の楽器を用いたトロピカルなアレンジは、そうした協働の成果だ。CMではロサンゼルスのミュージシャンによるスティールパンの生演奏が使われたとも伝えられており、細部に至るまで南国の空気感を丁寧に作り込もうとした様子がうかがえる。プロデューサー一人の力ではなく、複数のクリエイターがそれぞれの得意分野を持ち寄って完成度を高めていくという制作の在り方が、この曲の豊かなサウンドを支えていた。水色とオレンジが混ざり合う夕景のような情景を、音そのもので描き出そうとした一曲だと言える。目に見えない優しさが風に運ばれていくというこの曲のイメージは、そうした細やかな音作りがあってこそ、聴き手の心に鮮やかに広がっていく。友情や夢、未来への想いを風に乗せて歌うこの構成は、久保こーじの豊かなアレンジによって初めて実現したものだ。

磐田で思う、風が運ぶ優しさ

介護や不動産の仕事の中でも、目の前の状況がどれほど厳しくても、少し離れた視点から物事を見つめ直すことで、新しい希望が見えてくることがある。「優しさは風によって運ばれる」というこの曲のフレーズは、目に見えない小さな親切や思いやりが、巡り巡って誰かの支えになっているという、静かな真実を思い出させてくれる。

参考リンク

目に見えない優しさが誰かを支えているように、家や土地の整理にも、静かに寄り添うことで見えてくる答えがあります。

静岡県磐田市周辺で、相続した実家・空き家・土地建物の整理にお悩みの方は、富士ヶ丘サービスまでご相談ください。

書いた人

大石浩之。静岡県磐田市で、介護と不動産の仕事をしています。 若い頃に東京で過ごした時間、仕事の中で見てきた家族や街の記憶、 そして今暮らす磐田で感じることを、音楽をきっかけに書いています。

音楽は、過去の自分に会いに行くための入口です。 家や土地もまた、誰かの記憶が残る場所だと思っています。