ドラマは見れませんでしたが、同時期に映画の撮影に奔走させていただいた曲として、強烈に記憶に残っています。この曲が主題歌になったドラマ『テセウスの船』は結局見られなかったけれど、その代わりに、まったく別の記憶と分かちがたく結びついている。そういう音楽との出会い方があります。誰かにとってはドラマの記憶とともに、また別の誰かにとっては、まったく違う自分自身の忙しかった日々の記憶とともに。同じ曲が、聴く人それぞれの人生の異なる場面に寄り添っている。この曲が持つ、過去と未来をつなぐ「今」を描いた歌詞の普遍性は、まさにそういう多様な受け止められ方を可能にしているのだと思います。
小林武史プロデュース、初の配信シングル
「あなたがいることで」は、2020年2月9日に配信リリースされたUruの楽曲で、TBS系日曜劇場「テセウスの船」の主題歌として書き下ろされました。Uru自身が作詞・作曲を手がけ、編曲には音楽プロデューサーの小林武史を迎え、初のコラボレーションが実現しました。過去と未来をつなぐかけがえのない「今」を描いたこのバラードは、配信限定シングルながらオリコン週間チャートで1位を獲得し、ミュージックビデオの再生回数は7000万回近くに達しました。
同じ曲が、違う記憶と結びつく
東京で働いていた頃、あるヒット曲が流れていた時期に、自分は全く別の忙しい現場に奔走していたということが何度もありました。世間的な文脈とは違う、自分だけの記憶とその曲が結びつく。そういう個人的な記憶の重なりこそ、音楽の楽しみ方の豊かさだと感じます。
磐田で思い出す、奔走していた日々
磐田で暮らす今も、ふとこの曲を聴くと、あの映画の撮影に奔走していた慌ただしい日々が蘇ります。ドラマの記憶ではなく、自分自身の忙しかった記憶とともにあるこの曲は、私にとってまた違う意味を持つ1曲です。
ATAWI MUSICは、音楽を消費するサイトではありません。曲をきっかけに、奔走していた日々の記憶を読み直す場所です。
