「Say Anything」は、1991年12月1日発売のシングルで、同年7月発表のアルバム『Jealousy』収録曲のシングルカットだ。作詞・作曲・プロデュースをYOSHIKIが手がけ、テレビドラマ「ララバイ刑事'91」の主題歌としても使われている。この曲は、当時「X」名義最後のシングルであり、ベーシストTAIJIが参加した最後の作品でもある。オリコン最高3位、1992年の年間シングル売上33位を記録し、日本レコード協会よりプラチナ認定を受けている。
「X」名義最後の、TAIJIが残した仕事
「Say Anything」は、1991年12月1日発売のシングルで、同年7月発表のアルバム『Jealousy』収録曲のシングルカットだ。作詞・作曲・プロデュースをYOSHIKIが手がけ、オリコン最高3位、1992年の年間シングル売上33位を記録し、日本レコード協会よりプラチナ認定を受けている。この曲は、後に「X JAPAN」へと改称する前の「X」名義として発表された最後のシングルであり、同時にベーシストTAIJIが参加した最後の作品でもある。1992年にTAIJIが脱退し、後任としてHEATHが加入したのを機に、世界展開を見据えてバンド名が改められた。つまりこの曲は、結成から積み重ねてきた「X」という時代の、まさに最後の一章に位置づけられる楽曲だ。TAIJIにとって、その最後の仕事が8分39秒という長尺の野心的な楽曲だったという事実には、一つの時代の終わりを飾るにふさわしい重みがある。B面には1991年11月12日横浜アリーナでのライブ版「Silent Jealousy」が収録されており、この時期のバンドの熱量が随所に刻み込まれたシングルとなっている。
プログレとメタルが融合した、野心的な構成
この曲は、プログレッシブ・メタルとシンフォニック・メタルの要素を融合させた楽曲として位置づけられている。8分39秒という長さは、当時のシングル曲としては異例の長尺であり、バンドの野心的な作曲スタイルを象徴する一曲だ。歌詞を丸ごと引用することは避けるが、タイトルの「Say Anything」は「何でも言ってしまえ」という直接的な感情表出をイメージさせる言葉であり、この長尺の楽曲の中で様々な感情の起伏を表現しようとする意図が感じられる。通常のポップソングの枠組みでは決して描き切れない感情の複雑な起伏を表現するために、この長さが必要だったのだろう。単一のフレーズやサビの繰り返しでは伝えきれない物語性を持たせるためにプログレッシブ・メタルという形式を選んだことも、意図的な選択だったと考えられる。聴く側にも一定の集中力を要求するこの曲は、気軽に消費される音楽ではなく、じっくりと向き合うことで初めてその全貌が見えてくる作品であり、何度も聴き返すたびに、それまで気づかなかった展開や仕掛けが見えてくるという意味でも、長く付き合える一曲だと言える。
ツアーの記録が見せる、見納めの瞬間
この曲の映像は、「Violence In Jealousy Tour 1991」のステージ映像と楽屋のオフショットで構成されているとされる。スタジオで作り込まれたミュージックビデオではなく、実際のツアーの記録映像だからこそ、そこにはメンバーの飾らない表情が映し出されている。TAIJI在籍時代最後の作品であることを踏まえてこの映像を見返すと、当時は誰も意識していなかったであろう「見納め」の瞬間が、そこかしこに記録されているように感じられる。この曲が「X」名義最後のシングルであったという事実は、バンドの歴史を語る上で重要な意味を持つ。1992年のTAIJI脱退とHEATH加入、そして「X JAPAN」への改称という一連の変化の直前に位置するこの曲は、いわば旧体制と新体制をつなぐ境界線に立つ楽曲だと言える。プログレとメタルを融合させた野心的な構成は、変化を目前に控えたバンドが、それまで積み重ねてきた音楽性の集大成を示そうとした結果だったのかもしれない。
ドラマ主題歌としての、もう一つの顔
「Say Anything」はテレビドラマ「ララバイ刑事'91」の主題歌としても使用されている。8分を超える長尺の楽曲がドラマの主題歌として使われるのは、当時としても珍しい試みだったはずだ。通常、主題歌は3分から4分程度の尺に収まるように編集されることが多いが、この曲の持つ長大な構成をそのまま活かして起用されたのだとすれば、制作陣がこの曲の音楽的な価値をそのまま尊重しようとした姿勢がうかがえる。1988年頃のバンド体制確立からTAIJIが脱退するまでの期間、彼はバンドのサウンドを支える重要な役割を担ってきた。その最後の作品がこうしてドラマの主題歌という広い舞台にも届けられたことは、一つの時代の締めくくりとしてふさわしい形だったと言えるだろう。
磐田で思う、記録されることの意味
東京で働いていた頃、同僚が異動や退職で去っていく場面に何度も立ち会ってきた。その時は当たり前だと思っていた日常の一コマが、後になって振り返ると、かけがえのない最後の記録だったと気づくことがある。この曲とその映像もまた、当時のメンバーたちにとっては通常のツアー活動の一部だったはずが、今振り返れば一つの時代の終わりを記録した貴重な資料になっている。相続や実家の整理の仕事を通じて、家族の歴史が写真や書類として残されていることの大切さを何度も実感してきたが、当時は何気ない日常の記録が、後になって家族にとってかけがえのない財産になる。TAIJI在籍時代最後の記録となったこの曲の映像もまた、意図せずして残された貴重な財産なのだと思う。
参考リンク
- [1] Say Anything (X Japan song) - Wikipedia(英語版)
- [2] X JAPAN、YouTubeでのMV公開第4弾は「Say Anything」! | 激ロック ニュース
何気ない日常の記録が後にかけがえのない財産になるように、家や土地にも残しておくべき大切な記憶があります。
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