without you あなたなしで。私もあなたなしで生きてきましたよ。もうあなたなしでいいですけどね(笑)でもあなたと一緒にいたかった。この言葉には、大切な人を失ってからの長い年月と、その中で育まれてきた複雑な感情のすべてが凝縮されています。強がりとしての「もういい」という言葉と、その奥にある「一緒にいたかった」という本音。YOSHIKIが、X JAPANのギタリストhideを突然失った衝撃の中で、1週間という短い時間で書き上げたというこの曲は、まさにそういう、喪失と向き合う人間の感情の揺れそのものを音にしています。
hideへの追悼として生まれた1週間の作品
「Without You」は、1998年のhideの急逝後、YOSHIKIがロサンゼルスに戻ってからわずか1週間で書き上げた楽曲です。2005年発売のクラシカルアルバム『ETERNAL MELODY II』にクラシックバージョンとして収録され、その後、弦楽器を伴うピアノ協奏曲版としても編曲されました。9分を超えるピアノソロパートを含むこの演奏は、YOSHIKIのクラシックコンサートの中でも、最も感動的な瞬間のひとつとされています。演奏中には、hideとTAIJIの生前の姿や、東京ドーム公演での若き日のX JAPAN、hideの葬儀の映像がスクリーンに映し出されることもあります。
喪失と共に生きるという選択
東京で働いていた頃、大切な人を失った悲しみを、完全に乗り越えることなど、実はできないのかもしれないと感じることがありました。「もうあなたなしでいいですけどね(笑)でもあなたと一緒にいたかった」という言葉は、悲しみを克服するのではなく、悲しみとともに生きるという、成熟した喪失との向き合い方を示しています。
磐田で見つめる、あなたなしで生きる強さ
磐田で家や土地の相談を受けていると、大切な人を失った悲しみを抱えながらも、日々を生きていく方々によく出会います。「Without You」が体現する、失った悲しみを否定せず、それでも前を向いて生きる姿勢は、そうした方々の強さと重なります。
ATAWI MUSICは、音楽を消費するサイトではありません。曲をきっかけに、あなたなしで生きてきた記憶を読み直す場所です。
